こんばんは。(^^) ひらいようこです。ご無沙汰です。
先月バタバタしていたこともあって、
メルマガ発行が遅れてすみません。
ではさっそく、前回予告していたテーマからまいりましょう。
摂食障害(拒食症・過食症)
拒食症・過食症をまとめて摂食障害と呼びます。
摂食障害とは食事を極端に減らしたり、逆に信じられないほど食べ続け、
そんな自分に嫌悪して吐き戻したりする、心因性の病です。
摂食障害は思春期から30代までの女性に多く、しかも、
豊かな先進国にこの現象が見られます。
豊かな国ほど、子供の数は反比例して減ります。
子供の数が減るということは、親が一人一人の子供にたいして、
興味と関心を昔よりもずっと濃密に、長く寄せ続け、
また、長男だけでなく、他の子供にも高等教育を与えることができます。
平均寿命も延びました。
昔なら孫の顔を見る50代には あの世からのお迎えがやってきました。
子供は早く育て上げて一人前になってもらわなければ自分が困りました。
年金制度も昔はなかったのですから。
寿命も延びて、豊かで元気な親が増え、『先進』国ということで、
社会は複雑になり、その複雑な社会に対応するため、
学歴が重んじられるようになり、学校教育の期間が長くなったため、
子供の側にとっては、良くも悪く?も、
昔よりも、ゆっくりと時間をかけて大人になっていけばよくなったのです。
親元で暮らす時間は、昔とくらべて、はるかに長くなりました。
昔は、『生きる』こと『食べる』こと『生活する』ことだけで、
皆が一所懸命だったと思います。
現代のように、お金やスィッチひとつでいろんなことが可能になると、
地面の上で空気を吸い、自然から食べ物を得て「生きている」という、
ナマの実感は薄れてきます。食べ物が豊富にあふれて手間いらずでなんでもできる
分、単純で大切な、何かを見失いやすいのではないでしょうか?
青少年期のアイデンティティ・クライシス
★ 日本にはこれといった通過儀礼がないことも、思春期の若者の
アイデンティティ・クライシスを招きやすい原因のかもしれません。
アイデンティティ・クライシスというのは、ごく簡単に言うと、
大人として完成されるまでの青少年の自我は不安定で、つかみどころがなく、
揺れ動き、もろい部分があるということです。
★ 通過儀礼は、それを終えた若者の精神の安定に貢献するようです。
通過儀礼のひとつに、バンジージャンプがあります。
これは、ジャングルの民の風習で、一定の年齢に達した若者が、
ひとりの大人として認められるための儀式でした。(^^)
試練をくぐり抜けたところで、一人前の社会人として迎えられるのです。
摂食障害は心の病気なのです
さて、メルマガ読者さんから、摂食障害について質問いただきました。
はるさんからのメール ここから
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いつも、楽しみにして読んでいます。
貴方の考えにハッとさせられ、そういうものかと感心しています。
つまらない質問ですが、この間テレビで何となく
耳にした事が気になっています。
世界に、5年も6年も何も食べないで生きている人が大勢いるとのこと。
もちろんダイエットのためです。
水もそんなに飲まずにいるのに、栄養失調になって、骨と皮に痩せて
おなかばかり出ているわけではなく、健康で生き生きしているのです。
便も1週間に1度くらいしか出ないようです。
人間の身体は何も食べないと身体の中で
必要な栄養を勝手に作っていくらしいのですが・・・・・・?
お腹もすかないとの事ですが・・・・・?
質問です。
こういう人たちは、拒食症・過食症にはならないのでしょうか?
はる
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はるさんからのメール ここまで
その番組を見ていないので何とも言えませんが、
お通じがあるということは、食事らしい食事ではないにしても、
何かを少しは口にしている証拠ではないでしょうか?
日本でも、夏みかんだけで生きている高齢の男性の方とか、
青汁を飲むだけで健康に生きている主婦の方がいるようです。
青汁婦人のほうも、きっかけはダイエットだったそうですが、
番組でこの方の腸内細菌を研究所にもちこんで調べてもらった結果、
この青汁婦人は、普通の人間にない腸内細菌までもっていて、
なんと、その腸内細菌の種類や割合は、人間よりも
草食動物のそれに近かったそうです。
見た目はごく普通の人なんですけどね。
こういう方は、食べ物から栄養を摂取する量や種類が通常よりも
少なくてすむ、一種の特異体質なのでしょう。
からだが要求する食べ物の絶対量が例外的に少ないわけです。
摂食障害の心理
拒食症・過食症をまとめて摂食障害と呼びますが、
摂食障害の場合は、たんにダイエットだけの問題ではなく、
さきほど申したように、心の病気の範疇にはいります。
でも、食べ物を極端に制限したり、食べ過ぎたあと全部戻したりするので、
身体の健康を害してしまいます。ひどいときには、生命にもかかわります。
フロイトの流れをくむ精神分析医カール・A・メニンガー博士が、
『おのれに背くもの』のなかで、自分を傷つける行為を
『緩慢な自殺』と呼びましたが、その解釈でいくと、摂食障害も
緩慢な自殺の一つにはいることでしょう。
拒食症の女性は、大人になるのをなるべく遅らせようとして、
食べ物を口にしなくなります。
自分の母親を これから自分が後を追ってなぞっていくモデル、
一つの将来の自分の女性像、イメージとして好ましく思えないために、
成熟した女性になることを拒絶しているのです。
女性性というものを嫌悪していて、自分の身体が丸みを帯びて
女性らしく魅力的になっていくことを拒否したくて、
ハンガーストライキをしているのです。
※ 大人になりたくないとか、やせているのに憧れてはじめる
拒食に失敗し、過食に走る例もあるようです。